ブログ・ニュース

2023/04/28Blog

日本人のためのがん予防法

「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」が発表されています。

研究班では、主要ながんのリスク要因と、がん全体、臓器ごとのがんリスクとの関連を調べた
国内の疫学研究を系統的に収集し、個々の研究についての関連の強さの確認と科学的根拠としての
信頼性の総合評価を行っています。
さらに、その評価結果にもとづいて、「日本人のためのがん予防法」を作成され
論文として発表されていますのでまとめてみました。

研究方法の概要
生活習慣・感染症などの要因とがんとの関連の強さの評価のため、日本人を対象とした研究の系統的レビュー、
メタ・アナリシス、コホート研究のプール解析を実施します。
コホート研究のプール解析では、研究に参加しているデータを共通の方法で再解析し結果を統合します。
これら結果に基づき、要因とがんとの関連の強さについて、「強い」「中くらい」「弱い」「ない」の
どれにあたるかを客観的に記します。
さらに、ある要因ががんの原因となることについての科学的根拠の信頼性の評価を行います。
この評価では、疫学研究でみられた関連性が複数の研究のあいだで一致しているかどうか、
なぜそのような関連性が見られるのかが生物学的メカニズムにより説明可能であるかどうかに基づき、
「確実」「ほぼ確実」「可能性あり」「データ不十分」のどれにあたるか判定し、その結果まとめます。
以上の判定に基づき、重要なリスク・予防要因を抽出し、「日本人のためのがん予防法」としてまとめます。
この推奨は、現状においては、喫煙、飲酒、食事、身体活動、体形、感染の6つの項目にわかれています。
要因とがんとの関連性についての判定、それらに基づく「日本人のためのがん予防法」は、
科学的根拠の蓄積により絶えず更新され、変更される可能性もあります。

日本人のためのがん予防法

喫煙-たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。
たばこを吸っている人は禁煙をしましょう。吸わない人も他人のたばこの煙を避けましょう。

飲酒飲むなら、節度のある飲酒をする。
飲む場合は1日あたりアルコール量に換算して約23g程度まで
(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)。
飲まない人、飲めない人は無理に飲まない。

食事.食事は価らずバランスよくとる。
塩蔵食品、食塩の授取は最小限にする。一食塩は1日あたり男性8g、女性7g未満(18歳以上)
特に、高塩分食品(たとえば塩辛、練りうになど)は週に1回未満に控えましょう。

* 野菜や果物不足にならない。

*飲食物を熱い状態でとらない。

身体活動-日常生活を活動的に過ごす。

たとえば歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分行いましょう。
また、息がはずみ汗をかく程度の運動は1週間に60分程度おこないましょう(18~64歳)。

体形→成人期での体重を適正な範囲に維持する(太りすぎない、やせすぎない)

中高年期男性のBMI(体重kg/(身長m)2)で21~27、中高年期女性では21~25の範囲内になるように体重を管理する。

感染・肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合は適切な措置をとる。機会があればピロリ菌感染検査をする。

「日本人のためのがん予防法」は、日本人の研究からわかったリスク要因を幅広く取り扱った推奨となっています。
感染症が主要項目の一つとして扱われていること、肥満だけでなくやせも総死亡やがん死亡のリスクを増加させる
要因であること。食事については、日本人で摂取量を適切に評価したエビデンスが不足しているので、
推奨につなげるためのさらなる研究が必要らしいとのことです。

がん予防のために意識して生活していこうと思いました。

N.Nishimoto

ページ先頭へ戻る